佐川 牧野富太郎博士のふるさと
高知へ行ってきました。
朝ドラ「らんまん」が始まりましたね。
主人公は高知生まれの植物学者・牧野富太郎博士をモデルにしています。
高知は今、坂本龍馬もかすむほどに牧野富太郎づくしです!
高知に着いた初日は、雨でしたが、牧野博士のふるさと佐川(さかわ)を訪ねました。
佐川は高知県中西部の盆地にあり、仁淀川の支流が流れています。
博士の生家も造り酒屋でしたが、佐川町には今も伝統的な商家住宅や酒蔵が残っています。
古民家カフェやかわいい雑貨屋さんなどもあって、楽しい。




博士ゆかりの場所もあちこちに。
幼い頃に学んだ名教館(めいこうかん/移築再建)や遊び場だった実家の裏山の金峰(きんぶ)神社


そして今回、メインで見て回ったのは、牧野公園。
こちらは、博士がソメイヨシノの苗木を贈ったことに始まり、桜の名所として知られていました。
戦争によって失われた桜を地元の方が復活させ、博士ゆかりの山野草なども四季を通して楽しめるようになっています。
舗装道路脇から山の斜面にいくつもの小道がめぐらされています。
もう少し早ければ全山桜といった雰囲気だったと思いますが、桜はほとんど終わり。
今はツツジ類が満開でした。
すっかり濡れそぼっていますが、雨の中でも花色は鮮やか。
こちらには、博士の分骨を埋葬したお墓もあってその裏には博士が愛した花、バイカオウレン(梅花黄蓮)の群生地があります。
花が咲いていたら見事でしょうね〜
今は一輪も残っていませんでしたが、花の咲いた後の実の形もかわいい。
後で、園芸用として栽培したもので花に出会えました ↓
バイカオウレンに入り混じってスミレなども咲いていました。
ハルリンドウ(春竜胆)
近くで、ユキモチソウ(雪餅草)やヤマシャクヤク(山芍薬)も見られました。
この辺りまで来たところで、同行者たちは、古民家カフェでまったりするということで、降りていきました。私一人でさらに山の上へ登っていきます。
入り口付近にイノシシが出るとの注意書きがあったので、ちょっとビクつきつつ・・・
上へ進んでも誰もいません。雨は小止みですが、朝から結構降っていたし、こんな時に上がって来る人はいないようです。
大きな岩がありました。
「物見岩」というのだと後で知りました。この岩は登ることができ、上に立てば、佐川の町を一望に見渡すことができたのですが、そうとは知らず・・・「牧野公園を独り占め!」と浮かれていましたが、山中一人でツルリンコンは避けねば、と石段下から見上げるだけで戻ってきてしまいました。
じっくりと見ていけば、あちこちに興味惹かれる植物が生えているのですが、同行者をあまり待たせるわけにもいかず、後ろ髪を引かれつつ山を降りました。
桜も少し残っていました。博士が名付けた「ワカキノサクラ(稚木の桜)」
佐川町の町木。
少し前に「国立劇場の桜たち」で触れましたが、種から発芽して1年〜2、3年で花を咲かせます。
この桜は、国際宇宙ステーション「きぼう」に乗って宇宙を旅した14種の桜のうちの一つです。宇宙から持ち帰られた桜の種は全国各地に植えられて、通称「宇宙桜(そらざくら)」と呼ばれているそうです。
御殿場桜
山古志桜
小花も色々咲いていました。
ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡策)
スミレ
この白い可憐な花は見たことがあるような、ないような・・・
「おまん、誰じゃ?」
途中から佐川の町が望めました。
手前のササは、牧野博士が長年、献身的に尽くしてくれた妻・寿衛子さんの名にちなんで名付けた「スエコザサ」。
植物研究に熱中し、借金を数億円も作ったという牧野博士。13人も子供(6人は早世)を産み育てて・・・奥様は大変な苦労をなさったことでしょう。
古民家カフェで仲間と合流してお茶後、佐川町立青山文庫で「牧野富太郎の歩み」展(〜10/15日)を見ました。こちらには幕末の志士たちの手紙や様々な資料も展示されていてなかなか興味深かったです。
旧濱口家住宅のカフェ
雨音を聞きながら、のんびり。
ゆずジュースもおいしかったけれど、300円!の白玉ぜんざいが絶品だったそうです。