バラを深掘り

オランダのバラ

ラベンダードリーム 1984年 G.Peter Ilsink(Interplant Roses)作出

 

かわいらしいバラですね。ノバラのような雰囲気があって、和洋どちらの庭にも合いそうです。
比較的単純な雰囲気だけれど、このバラは、ポリアンサローズとノワゼットローズの交配品種とありました。イエスタデーとナスタラーナの交配。

 

バラの種類分けは複雑でよくわかりませんが、
ポリアンサは、日本の山野に自生するノイバラ(ロサ ムルティフローラ)と中国の庚申バラ(ロサ キシネンシス)を交配して生まれたバラを祖として交配を行った系統。花付きがよく、多くは四季咲き木立性となる。

 

ノワゼットは、西アジアから北アフリカ原産の原種バラ、ロサ・モスカータと、中国原産のパーソンズ・ピンクチャイナ(ロサ キシネンシス オールド ブラッシュ)の交配によって生み出されたバラを祖として作り出された系統。枝の長いシュラブ樹形で、繰り返し咲き。

 

ということで、いいとこ取り。繰り返し咲きで花付きが良く、房咲きになり、強健な樹勢で、半日陰でもよく育つのだそう。

秋の方がより青みが増して、ラベンダーピンクになるみたい。

 

ところで、このバラの作出者はG.Peter Ilsink氏ですが、作出者として会社名のInterplant Rosesとなっていることもあります。

Interplant Rosesはオランダで1962年に設立されたIlsink一族による家族経営の国際的なバラ育種会社。三世代で会社を率いており、2020年には四世代目も加わったそうです。

 

こちらでは、切り花用のバラを中心に育種を行っていて、スプレーバラ(1本の茎が枝分かれして数輪の花がつく)はこの会社が最初に開発したそう。

ホームページを眺めていたら、なかなか革新的なバラを世に送り出しているみたい。

バラの名前の頭に「#」がつく、#Asyutag Flowers シリーズ。
花びらに深い切れ込みがいくつも入って、なんともバラらしくない不思議な花姿。あえていえば菊みたいな?
これは、日本人受けしないのじゃないかな・・・と思いました。

 

ところが、この花の誕生ストーリーを読んでいたら、こんな話が。

バラに詳しい方ならご記憶にあるかもしれませんが、こちらの会社が2018年に京成バラ園芸を通して、「Sea Anemone」というバラを発売して話題になったのだそうです。

名前のシーアネモネとは、「イソギンチャク」のこと。花びらにたくさん深い切れ込みが入って、ピラピラ、うねうねした花姿からの命名です。

世界に先駆けて、日本で発表され、「日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2018」の切り花部門で最優秀賞を獲得しています。

この花が、2019年に#Asyutag Flowersと名付けられ、シリーズ化したのです。

1990年に彼らのバラの試験場で珍しい花の形をした苗が発見されたことから、この花の開発が始まったのですが、フリルが波立つような様相を定着するのが難しかったそうです。

 

バラと限らず、花束を贈られることも贈ることもほとんどないので、そんなバラが花屋で扱われているのを見たことがないのですが、今も人気があるのでしょうか? 希少なのかな。独特な花姿、写真を載せたいのですが、自分で撮った写真がないので、写真なしですみません。

 

オランダといえば、花大国。そのオランダで作出した風変わりなバラを世界でも最初に日本で発表したのはどんないきさつがあるのでしょう?

 

オランダは花卉栽培が盛んだけれど、バラ園などで、地植えになっているバラで作出国がオランダのバラを見ることは少ないです。
多分、切り花用のバラの生産が盛んで、ガーデンローズは少ないのでしょうね。
#Asyutag Flowersシリーズも花束や装飾に使われるとインパクトがあって、目を引きそう。

 

オランダといえば、鎖国時代の日本が唯一門戸を開いていた国で、それこそ、バラの系統の「ポリアンサ」という名前は、シーボルトがノイバラに「ロサ ポリアンタ」と名付けようとしたことに由来するのです。(すでにロサ ムルティフローラの名前があったので、系統の名前として残った)
シーボルトはオランダ人として来日したけれど、実はドイツ人なんですが・・・

 

また話が長くなってきたので、この辺で。
深掘りが止まりません・・・