ウマノスズクサ科の植物・毒蝶
小石川植物園の温室に咲いていた花 Aristolochia tricaudata
アリストロキア・トリカウダタ
ウマノスズクサ科 メキシコ原産
奇妙なタコ型の火星人のような花
葉陰に咲いていて見過ごしてしまいそうでしたが、なんだか呼ばれてる気がして振り向いたら、いました。
ウマノスズクサ科の植物は、世界の熱帯〜温帯に500種程が分布しているそうです。多くは、つる性か低木。
奇妙な面白い花を咲かせるものが多い。
こちらは、ダースベーダーに似ているというので有名なアリストロキア・サルバドレンシス。京都府立植物園の温室のものです。
インパクトがありますね。
原産はエルサルバドル。一個の花の寿命は約1週間ほど。地際に発生した花茎が長期間にわたり、伸長して花を一個ずつつけていくそうです。
こちらは花が大きい、その名もアリストロキア・ギガンテア
新宿御苑温室のものです。パナマ原産のつる性植物。
花は、長さ50cm、幅35cmに達するそう。
アリストロキア というのは、
ギリシャ語の arisutos(最良)とlochia(出産)が語源。花の付け根の膨らみが子宮を思わせたり、胎児のように見えることからついた名前だそう。
そのため出産に伴う痛みや感染症の薬にされたこともあるそうですが、アリストロキア酸という毒があります。
ジャコウアゲハという蝶は、ウマノスズクサ属の植物を食草としています。
幼虫時代に葉を食べて育つうち、体内に毒がたまり、成虫になってもその毒が残るので、鳥などの捕食者が嫌って食べないそうです。
そのため、この蝶に擬態する蝶が何種類かいるそうです。
前に温暖化のせいかよく見られるようになったツマグロヒョウモンのことを調べた時に、ツマグロヒョウモンのメスは、毒性のあるカバマダラの擬態をしていると知りました。
では、カバマダラの毒はどこから?
調べてみると、カバマダラの幼虫の食草はトウワタ、フウセントウワタだそう。これらの植物は全草に有毒配糖体のアスクレピアジンを含んでいます。
やはり幼虫の時に葉っぱを食べて毒を取り込んでいるのですね。
「毒のある蝶」って一体なんで?と思っていたけれど、有毒植物の毒だったんですね。
植物と昆虫の間には色々と面白い関係があるなぁ。