冬の冷気が体を包むように感じる季節になると、クリスマス前にイギリスに行った時のことを思い出します。
イギリスに初めて行ったのは夏でしたが、それから22年後、2度目のイギリス訪問は、11月末でした。
BBCのドラマ『シャーロック』にハマって、ロケ地を見てみたくなり、一人でツアーに参加したのでした。
ツアーは「初めてのロンドン」というコンセプトで、ロンドンの主だった観光スポット+ストーン・ヘンジ、コッツウォルズの村々を訪ねるというものでした。
飛行機でロンドンに夕方着いて、暗くなっていく中、観光バスに乗り込んで市内へと入って行きました。
車窓から眺めた街の様子は、おもちゃ箱をひっくり返したおとぎの国のようでした。
イギリス国旗柄のタクシーや赤い二階建てのバスが走って行く。
イルミネーションに飾られたロンドンブリッジ、巨大な観覧車、古い建物とモダンなガラス張りのビル。
まだ本格的ではないけれど、クリスマスのデコレーションも見られて、あちこちがキラキラと輝いていました。
ロンドンのデパート、ハロッズには、ロンドンに着いた翌日、大荒れの天気の中、ストーンヘンジとコッツウォルズの村々を訪ねた帰り、夕食のレストランへ行く前の隙間時間に立ち寄りました。
冷たい雨の中、寒さに縮こまりながら田舎を歩いた後、数時間バスに揺られてたどり着いたハロッズは、とてもきらびやかでした。
特にお目当てのものもなかったのですが、とりあえず私もツアーの人たちと中へ入って、キョロキョロしていた時に、売り場の鏡に自分の姿が映ったのを見て、ギョッとしてしまいました。
街歩きではないし、寒いからとにかく暖かい格好でと、見た目も構わず、下はユニクロの裏がフリースのモコモコシルエットの暖パン。上はセーターを着た上にウルトラライトダウンのジャンパー、さらにその上に腰下丈のダウンコートという、ユニクロづくし。それにレスポートサックのバッグを斜めがけ。
コートの前を開けていたので、下に着ていた間隔が細めのステッチの入った焦げ茶のダウンジャンパーが見えて、まるで虫の腹のよう、コオロギ? ゴキ◯リ?!
ダサすぎる・・・サーっと買い物欲も冷め、いたたまれない気持ちになって外へ出ました。
ハロッズの前をバスで通った時に外側のショーウィンドウが目について、後で見ようと思ってもいたのです。
こちらのショーウィンドウは、毎年クリスマスシーズンにテーマを決めた飾り付けがされているようで、この年は建物の表側は、おとぎ話(ディズニープリンセス)がテーマでした。
こちらは、ムーラン? 妖艶なお姫様たち。
シンデレラの靴
他にも「眠れる森の美女」「美女と野獣」などなど、目をみはる夢のように美しいディスプレーだったのですが、光が反射してガラスに車や通行人が映り込んでしまい、全体像が撮れませんでした。
小さなショーウィンドウにはシックな飾り付け
こちらにもお伽話によく登場するカエルたちがいました。
建物の裏側はまた雰囲気が変わって、子供たちが喜びそうなキッチュで楽しい飾り付けでした。
子供じゃなくてもワクワクしてしまいます。
この時のおとぎの国に紛れ込んだような楽しい思い出がずっとあって、数年後、イギリスのクリスマスデコレーションを見る旅に出ました。