フローレンス・デルアットル
1997年 Guillot
なんとも優美なバラですね。
濃いピンクのつぼみ、クリームがかったピンク、灰紫がかったピンク・・・さまざまなピンク。
作出は前出のドミニク・マサド氏(1991)
名前の由来は、『三銃士』の著者デュマの作品(何かはわからず)のヒロインからとられたものだそうです。どんな女性なんでしょう?
ローズ・シナクティフ
1999年 Delbard
資生堂とDelbardのコラボレーションで誕生したバラ。
パリ・バガテル国際バラコンクールで金賞とベストフレグランス賞を受賞。
クレ・ド・ポーボーテのオールドパルファム「ローズ・シナクティフ」には、天然のローズエッセンスを配合してあるそうです。
ラ・ローズ・ドゥ・モリナール
2008 Delbard
こちらはフランス・グラースの老舗香水メーカーの名前にちなんだバラです。
マミー・ブルー
1991 Delbard
日陰になっていて、写真がうまく撮れなかったのですが、フランス語でモーヴ色(mauve)と表される、薄く灰色がかった紫色の独特なバラ。
四季の香ローズガーデン「香りのローズガーデン」では、香りのグループごとにバラが植えられているのですが、このバラは「ブルー」のエリア。
ダマスクとティーの混じった香りというのですが、「ブルー香」というのですね。良い香りです。
剣弁高芯咲きで高貴なイメージ。
名前のMamy Blueの由来は、日本のサイトだと「おばあちゃんの青い服」だという解説が多く見られるのですが、海外のバラのサイトの一つに、
1971〜1972年に Pop Topsというグループによって歌われ、大ヒットした曲名による、とありました。
この曲は元々は、1970年にフランスのHubert Giraud(ユベール・ジロー「パリの空の下」を作曲)によってフランス語の歌詞で作られた曲です。
スペインのグループPop Topsにより翻案歌詞(英語)で歌われてヒットし、その後、スペイン語、ドイツ語、イタリア語などでカバーされ、日本でもヒットしたのだそうです。
YouTubeにさまざまな歌手が歌ったバージョンがあって、聞き比べると面白いです。
一度聞いただけでも物悲しいメロディー、「Oy mamy, oh mamy mamy blue oh mamy blue」と繰り返されるフレーズが印象に残ります。
歌われている内容(オリジナル)は、だいたいこんな感じ。
母の元を何も告げずに発って、過去を振り捨て、国境を越え、遠い場所で暮らしていた私は、母の死の知らせを受け、村に戻る。
温かい微笑みを浮かべ、受け入れてくれるはずの母はもうそこにはいない。
老いた犬や猫がさよならを告げるようにやってくる。
自分が愛した村、母が眠る村・・・
私は思う・・・もうこの村には戻るまいと。
英語での翻案歌詞はもっと具体的で、21歳で家を飛び出した息子の後悔、母への哀切な思いが溢れます。
blueには複雑な意味合いが込められているようです。そう思って、このバラを見るとちょっと切ないですね・・・
ギー・サヴォア
2001 Delbard
名前はフランスの三つ星レストランのシェフ、Guy Savoy氏に由来。
氏は、1953年生まれ。父上は庭師だそうです。
遠くにあって、近づけずに撮影したので、色味がちょっと違うかもしれません。赤に絞りが入って目を引くバラです。
1867年 Jean-Baptiste André Guillot
ハイブリットティーローズの第一号品種。
このバラ以降のバラをモダンローズというとウィキペディアにありました。
画期的なバラだったのでしょうね、堂々たる名前です。
2004 Meilland
写真は少し咲き進んだところのようですが、開き始めは中心部にピンクが見られることもあるようです。
写真追加
名前はフランスの作曲家ラヴェルよるバレエの名曲「ボレロ」にちなみます。
『愛と哀しみのボレロ』という映画でジョルジュ・ドンが踊っていました。
1992年 Delbard
こちらのバラも接近できないところに咲いていて、様子がよくわからなかったのですが、ピンクとアプリコットが混ざり合っていくようです。
Delbardのペインターシリーズのバラの一つ。
ドガ、マネ、ユトリロ、マチス、シスレー、シャガール、ピサロ、セザンヌ、グリマルディ(こちらは画家名でなく、ピカソがアトリエとした南仏のグリマルディ城に由来)
他にもあるようですが、上記のバラたちは色が混じり合って咲くものばかり。これはちょっとどれがどれだか覚えるのが難しそうです。
バラは色々な花姿があって、面白いですね・・・それにこれほど、それぞれの花がストーリーをもつ花はないかもしれません。
バラ自体も楽しめるけれど、その背景にある物語〜人々の思い〜を知るのも興味深いです。