光ヶ丘 四季の香ローズガーデンの続きです。
作出国がフランスのバラ。
ローズ・ポンパドゥール
2009年 デルバール
この華やかなバラの名前の由来は、ポンパドール夫人(1721~1764)が好んだ色、ポンパドール・ピンクから。
ポンパドール夫人は、銀行家の娘で、平民でありながら、フランス国王ルイ15世の公妾となった人物。
美貌と知性、洗練されたセンスで「ロココの華」と呼ばれました。
美食家でもあったそうです。
ポンバドール夫人というと、思い浮かべるのは、ベーカリーチェーン「ポンパドウル」。こちらの店名もポンパドール夫人からとっています。
1969年に横浜の元町に店舗ができて、お出かけの時にここでパンを買ってもらうのが楽しみでした。
どれもこれも、それまで見たこともなかった贅沢なパンでした。
赤地に黒でロゴの入った紙袋もおしゃれで、赤い手提げの紙袋を見ると幸せな気持ちになりました。
当時は、マークになっているポンパドール夫人がどんな人かもよく知りませんでしたが・・・
パンを自分で選んで、トレーにのせて購入するスタイルはこちらのお店から始まったそうです。
イヴ・ピアジェ
1984年 メイアン
イヴ・ピアジェ氏は、スイスのハイ・ジェリーブランド、ピアジェ社の会長。
バラの愛好家で、ジュネーブ国際バラ新品種コンクールの審査員も務めました。
長年のバラに対する功績を讃えて、メイアン社が1982年にジュネーブ国際バラ新品種コンクールで金賞を受賞したこのバラをピアジェ氏に捧げたそうです。
ピアジェはナポレオンの妻、ジョセフィーヌが所有していたマルメゾン城のローズガーデン復元も支援しています。
スヴニール・ドゥ・ラ・マルメゾン
1843年 Jean Béluze 作出
こちらはは、「マルメゾンの思い出」と名付けられたバラ。
優しいピンク、花びらの重なった花姿が貴婦人のドレスのようです。
ナポレオンの妻ジョセフィーヌは、世界各地からバラを取り寄せ、人工交配によって新品種を生み出しました。
ジョセフィーヌが住んでいたマルメゾン城のローズガーデンには250種ほどのバラがあったそうです。
プリンセス・シビル・ドゥ・ルクセンブルグ
2010年 ピエール・オラール作出
ルクセンブルク大公国の王女に捧げられたバラです。
ジビル妃は1963年生まれ。スペイン国王アルフォンソ13世の曾孫。
美術に造詣が深く、5ヶ国語を話すそうです。
夫は、現ルクセンブルク大公・アンリの末弟にあたるギョーム大公弟(敬称がよくわからず・・・アンリ大公の長男の名前もギョームで、ギョーム大公世子 ややこしい)
王女に捧げられたバラにしては地味かな、と思いましたが、このバラとシビル妃が一緒に写っている写真があって、それを見ると、一言で何色と言い難い個性的なバラが知的なシビル妃に合っているように思います。
スパイシーといわる香りも魅力的です。
スーリール・ドゥ・モナリザ
2008年 メイアン
Sourire de Mona Lisa モナリザの微笑み
モナリザのイメージは、赤でしょうか? 赤も悪くはないけれど、ドイツのライマー・コルデスが1980年に作出した「モナリザ」というバラがあります。
色味は黄色〜サーモンピンク〜オレンジ色で、花びらの先に赤みが差していくバラです。
グラデーションが微笑みが広がっていくよう。「微笑み」にはこちらの方が合っているかもしれません。
フランシス・ブレイズ
2000年 Dominiqe Massad GILLOT作出
名前の由来はわからないのですが、コーラルピンクというのでしょうか? 優しい色合いです。
作出したのは、フランスの老舗ナーサリーGILLOTの一族、ドミニク・マサド氏。
東日本大震災の後に、フランスオールドローズ協会から、ドミニク・マサド氏が作出したキズナ(KIAUNA)というバラが震災地に捧げられました。
淡いピンク色にアプリコット色が混じっていく美しいバラです。
チャリーティーローズとして売り上げの10%が被災地のために使われているそうです。
マサド氏は、今までに200種ほどのバラを作出。現在はアンジェ近郊のナーサリー、ペタル・ドゥ・ローズからマサド氏のバラが販売されています。
マサド氏のインタビュー記事によると(グーグル翻訳を頼りにしているので、間違いがあるかもしれませんが)、フランスでは、バラを育てる人が減っているそうです。手間がかかるので、サボテンやヤシとか他のメンテナンスがあまりいらない植物が好まれ、バラの売り上げも落ちているとか。
アンジェのバラの栽培者も激減し、交配に取り組む若手もいないとのこと。
コロナで世界的にガーデンニングがブームとなりましたが、その後どうなのでしょう?
バラを育てる人が減ったのは、エコ意識の高まりもあって、植物に薬剤をあまり使いたくないと思う人が増えているのもあるのかな?
最近は病気や害虫に強いバラが開発されているので、また変わっていくかもしれないですね。