安西水丸展

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世田谷文学館で開催中の「安西水丸展」を見てきました。(9/20まで)

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世田谷文学館に来たのは初めて。芦花公園駅にも初めて降りました。

 

上の写真の左手側は池になっていて、錦鯉がたくさん泳いでいる。

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文学館からガラス越しに池が広がる不思議な眺め

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展示は盛りだくさんで楽しかったです。撮影も自由。

絵のモチーフになった小物とか収集品なども公開されていました

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灯台好き♡

 

水丸さんはおしゃれな方でした。服や持ち物なども展示してありました。

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ピンバッジがかわいい。イギリスの陶器メーカーのポットとオックスフォード市のエンブレムだそう。

 

懐かしい本の展示もありました。水丸さんが一番最初に手がけた村上春樹さんの本。

持っているだけで、センスのいい人に見られそうな気がした・・・

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水丸さんの風景画。どうしたらこんな絵が描けるのかな・・・

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「魅力のある絵というのは上手いだけではなくて、やはりその人にしか描けない絵なんじゃないでしょうか。だから、そういうものを描いていきたいなと思います。」

 

ご本人のことばです。
ほんとうに、この空気感、誰にも出せない。水丸さんにしか描けない絵です。

 

水丸さんは旅もお好きでした。長くなるけれど、「旅の風景のこと」と題した一文。

 

「電車の旅の楽しさは、なんといっても車窓の風景にある。ぼんやり眺めていても飽きることはない。それにしても、人はたいていが絶景を求めて旅をしている。旅先での名所はどこも絶景といわれる場所が多い。

ぼくは違う。何でもない車窓の風景が好きだ。広がる田園や、名もない漁港に胸がきゅんとなる。いつだったか、日本三景の一つといわれている土地を旅したことがあった。ホテルに入ると、案内したホテルマンがあいにく海側の部屋がないと申しわけなさそうに言った。ぼくはその部屋に入った。窓辺に立つと雑草の生い茂った草原が広がっていた。マツヨイ草が風にゆれていた。好きな風景だった。海なんか見えなくてもいいのだ。」

 

私も車窓を見るのが大好きで、なんてことのない景色なのに、「胸がきゅんとなる」そんな経験は度々あります。
でもね、一見なんてことない景色だから、その気分を人に説明してもわかってもらえそうにないし、絵にもできない。写真を撮ったとしても「きゅんとした」その理由がわからない写真になってしまうと思う。

 

水丸さんは、その「きゅん」を絵に閉じ込めることができる。

車窓を通り過ぎて行ってしまう風景には二度と会えない、たとえ同じ場所を通っても、もうきゅんとできないかもしれない。

でも水丸さんの絵は、何度見ても「きゅん」としてしまう。
それってほんとうにすごい。

 

子供のころから絵が好きで、最初っからイラストレーターになろうと思っていた。ブレずに一途に。

いっぱい絵を描いて、たくさんの人に愛されて。


さよならの気配も見せずに、突然逝ってしまった水丸さん。
その旅立ちも水丸さんらしい気がします。

かっこいい人でした。