可憐な見た目の手強いツル植物

朝、自転車で通勤途中、車道脇の植え込みに朱赤の小さな花が咲いているのが見えました。

 

眼は悪いけれど、植物だけは目ざとく見つけられる。

子供の頃から鍛えた「植物眼」です。

 

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遠くから見て、ルコウソウかな? と思い、そばに寄ってみたら葉っぱが違いました。

マルバルコウソウでした。

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マルバルコウソウは、熱帯アメリカ原産で、江戸末期に渡来したといわれ、観賞用に栽培されるが、本州中部以西の暖地では野生化していると手持ちの図鑑(1989年)にありました。

しかし温暖化で、すでに関東地方でも野生化しつつあり、東北の方にまで広がると予想されているそうです。

大豆畑に広がったり、トウモロコシ畑でトウモロコシに巻きつき、葉の展開を妨げ、光合成が十分に行えなくなるので収穫量が減る。つるが絡まり、収穫作業にも支障をきたすなど、「難防除帰化アサガオ類」として畑の嫌われ者になっています。

種もたくさんでき、未熟の緑のうちに刈り取ってもそのままにしておくと熟して発芽力のある種になるので、種ができる前の防除が肝心だそう。

花は可愛いいのですけれどね・・・

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同じ場所にヒルガオも咲いていました。

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ピンクのきれいな花だけれど、ありふれているのであまり注目していませんでしたが、ヒルガオは自家受粉しないので、めったに実を作らないのだそうです。
そう言われてみれば確かに、ヒルガオの実を見たことがありません。

ほとんど地下茎で増えていき、切断された茎片からも育つそうで、こちらも畑の厄介な害草とされています。

 

こちらは石神井川の土手に咲いていたマメアサガオ

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アメリカ原産

葉の形は、写真のものはハート型ですが、普通の朝顔に近い形のものもあります。
こちらは、東北地方以南で見られるそうで、やはり難防除帰化朝顔とされています。

 

人の都合で悪者にされたり、希少がられたり。

次回は、おそらく人の活動によって生息地が減り、希少になってきているつる植物をご紹介します。