毎年、このくらいの時期に地元の花火大会があり、学生時代の友人たちと集まって見ていました。
もう数十年になると思います。
最初の頃は打ち上げの近くの海岸で見ていました。まだ昼間の熱がこもっている砂浜に座って見る花火は、頭上で大きく広がり、迫力がありました。
ドン、という打ち上げる音も身体全体に響いてきます。
大勢の人が集まり、大変な熱気でした。
最初の頃に、特に美しい色合いの大きな花火が上がったときに、皆が拍手したので、驚きました。
子供の頃、花火を見て人々が歓声をあげることはありましたが、拍手をしたという記憶がありません。
確信が持てないものの、明らかに違和感を感じたのです。(一応昭和生まれなんですけれどね・・・)
拍手は、自然に湧き出た行為だと思うけれど、その時は、なんだかコンサートみたいだなと思いました。
今では私も感激すると拍手します。感激を皆と分かち合えるし、花火をあげてくれる方達への感謝の気持ちも込められて、いい習慣だなと思います。
それから、カメラ付き携帯が普及し始めた時は、花火が上がると、一斉に皆が携帯を掲げるので、地上にも光が点描のように広がり、これは新しい時代の光景だなと思いました。
地元の花火大会が、20万人の人出と言われるようになって、浜で場所を確保するのも大変になり、終わった後にゾロゾロと帰るのにも時間がかかるので、ある年、浜よりだいぶ手前の湾沿いの遊歩道に陣取っている人たちがいたので、そこに混じって一緒に座って見ました。
迫力はないけれど、これもまた風流だし、楽でいいね、ということになり、数年前からは近くの店で食事した後に湾越しに花火を眺めるのがお決まりになりました。
いつも友達が持ってきてくれる花火大会のチラシに、打ち上げ順に花火名が書いてあるのを眺めるのですが、その名前が長々しくて読み方もおぼつかない。
「昇分包付八重芯錦菊先紅点滅」とか。
でも打ち上がった花火を見て、なるほどねと感心したり・・・
最後は、いくつもの花火が次々と上がり、眩い白い光が四方八方に筋を描き、光が柳の枝のように垂れ広がってやがて消えておしまい。
夏も終わりだな・・・と少し寂しく思いながらも、今年もまたこうして友人たちと花火を見ることができて良かったな〜と嬉しく、しみじみするのです。
残念ながら今年も花火大会は中止。
写真は2019年の花火です。
また皆で花火を見られる日を楽しみに待ちます。