季節の花、温室の花、一人旅、マリアン・ノースのことなど
また植物園に行ってきました。
ノシラン
石神井公園のより撮りやすい位置にあったので、改めてご紹介
ノシ(熨斗)というのは、贈り物に添える飾りです。
→の黄色い部分
本来は、鮑を薄く切って干したノシアワビを使います。それが筋張った葉に似ているというので、付いた名前ということです。
似ているといえば、似ているけれど・・・あえてそこに注目?という感じもします。
ランとつきますが、キジカクシ科(元はユリ科)の植物。
花のアップを撮ろうと近づくと、カマキリがいました
この時期、ヤブラン(薮蘭)もあちこちで咲いています。
こちらもキジカクシ科
園内の藤に、結構な数の返り花が咲いていました
この日も暑くて、34度くらい。
こんな暑い時によく外に行く気になるね、と言われて、昔、初めて一人旅をした時のことを思い出しました。
9月上旬、三泊四日で、奈良に行き、猿沢池の近くにあった、アンノン族に向けたような気恥ずかしい名前のペンションに泊まりました。
朝食も付けず、素泊まりにして朝早くから日が暮れるまで、あちこち歩き回りました。
三日目の朝あたりか、出掛けに宿の女主人に会った時に「ご苦労様なことで」みたいな挨拶をされて「へ?」となりました。
何もこんな残暑の厳しい時に徘徊せずとも・・・ということだったのでしょう。
本人としては、さあ、どこに行こう、何に出会えるかとワクワクしていたのですが・・・
でも確かにご苦労様なことも・・・郡山城址に行ったつもりだったのに、超方向音痴なので、地元の高校生に場所を聞いて行ったのが、高校の裏山みたいなところで、ここに城があったのかな?なんて思ってそのまま帰ってきてしまったり・・・
帰る日に京都へ立ち寄って、葛切りの鍵善で地元のおばさんに話しかけられ、京都府立植物園に行こうと思っていると言ったら、「そんな所に行くより、法然院に行きなさい」と強く言われて、行ってみたら法要か何かでその日は入れず、植物園にも行けずじまい・・・
でも、若い時の旅はつまらない目にあっても、案外それはそれで楽しめたりするものですね。
間抜けなことをずいぶん重ねてきました・・・
横道にそれましたが、植物園も修行(笑)ではなく、楽しみで行っています。
温室の方へと坂を上がって行ったら、本館前に、おしゃれなスムージーを売るキッチンカーが来ていて、びっくり。聞いたら、その日が初日で、この後続けるかは未定とのこと。
スムージーは3種(各500円)あって、私はほうれん草、りんご、オレンジ、バナナ、パインアップル、レモン、天然水の「ベジー」にしました。緑色の。
他の二つは「サニー」「ベリー」
牛乳ベースとか甘酒追加(各+50円)なども選べる。
飲み物はたくさん持っていたけれど、物珍しくて買ってしまいました。お味は、自然な甘さでおいしかったです。
植物園に着いて、いきなり一休みですが、スムージーでエネルギーチャージしてから、温室へ。
春は花が次々咲いて、3日もするとすっかり様子が変わると思っていたけれど、夏も通い始めて見ると、案外花期の短いものも多くて、チャンスはその時限り、ということも結構あるのだとわかりました。
温室も頻繁に鉢を出し入れし、配置も変えているようです。
温室の花
テンニンカ(天人花)
かわいい花ですね。中国名は、「桃金娘」
こちらは名札が見当たらなかったのですが、風変わりな花姿
なにか図版で見た気がして書棚を探ったら、近めの花が載っていました。
Pancratium Illyricum
パンクラティウムという植物の仲間のようで、ネットで検索したところ、温室のは Pancratium Zeylanicum のようです。
イギリスのマリアン・ノースもパンクラティウムを描いていました。
マリアン・ノースは1830年生まれのイギリスの旅行家、博物学者、植物画家。
1871年頃から単身で世界中を回って植物の絵を描きました。
名家の出身で色々コネがあったそうですが、ヴィクトリア朝時代に女性一人旅で世界を回るって、なかなかのものですよね。
1875~1876年には日本にも来て、藤に富士山を合わせて描いています。
彼女の絵832点をずらりと並べた美術館がキューガーデンズ内に建っていて、外観も内観も個性的ですてきです。
マリアン・ノース・ギャラリー
シクンシ(使君子)
これは低木状態だけれど、つる性で他の木に絡み付いて伸びるそうです。
花がみな下を向いている
下から覗くと
この花は蕾の時は上を向いていて、花が咲くと白からピンク、紅と変化し、下を向いていくのだそう。もう最後の方だったのですね。
鉢の札には微妙な臭いとありましたが、嗅いでみると、甘い香りがしました。
薬用に果実を用い、回虫などの駆除薬、整腸薬・健胃薬として、また葉や根にも薬効があり「天子から使わされたような貴重な薬」という意味で「使君子」と名付けられたそうです。
また長くなってしまったので、続きはまた別に。
お付き合いいただき、ありがとうございます。