雨ばかりなので、雲の上の景色を。
一昨年、イタリアに行った時のものです。
ロシア サハ共和国上空。永久凍土が広がっています。
白く蛇行するのは、多分レナ川の支流
下の地図あたりの光景。ネリュングリは人口6万人ほどの鉱山都市
写真上部の白い筋雲は、別の飛行機のもの。一番最初の写真に別の一機が写っていますが、一時、3機の飛行機がお互いが見えるくらいの距離で飛んでいました。
イルクーツク州
凍てつく大地。どんな人々がどんな暮らしをしているのでしょうか?
チェコ ウースチー・ナド・ラベム郡上空
雲海をずっとみていると、歩けそうな気がしてきます。
もこもこした雲 。フアフアの感触を試したくなる・・・
帰路
フィレンツェの空港から飛び立って間もない辺り
まだ帰りたくないような、早く我が家に帰ってほっとしたいような・・・
カステル・ディ・カージオ エミリア=ロマーニャ州 ボローニャ県
Wikiによると、カステル・ディ・カージオは人口約3400人の村だそう。
BS日テレで放映している「小さな村の物語 イタリア」を時々見ます。
イタリアの田舎の小村を取り上げて、その村の住人2、3人にスポットを当て、彼らの日常を写すドキュメンタリー番組。
多く取り上げられるのは、その村に生まれ、村で育ち、仕事を得て、地元の人と結婚。子供を育てあげ、今はその子供たちが孫を連れて遊びにくるのを楽しみにしているというような人たち。村からほとんど出たこともなく、海外旅行もしたことがない。
働き盛りなら、合唱団や楽団、教会の活動や婦人会など、地域のコミュニティに参加し、村の伝統を守り、次代に受け継いでいく人たち。
広場やバールに行けば、いつもの仲間がいる。家族や友人との関係を大切にし、お互いが助け合い、見守り合う村の暮らし。たいていの人が、家族と穏やかに暮らせればそれで十分幸せだと語る。
この番組を見ていると時々自分は、根無草暮らしの薄味人生だな、と少し寂しい気持ちになります。
以前、家族もあり、友人も多く、才能に恵まれ、海外にまで名の知れた仕事をしてきた人と話していた時、その方もこの番組のファンで、「ああいう村で暮らしたらいいな、と思うの。外から行ったのでは、無理だろうかね?」とおっしゃったので、ちょっと驚きました。
90歳近くになられ、恵まれた人生を歩んで来られたように思われる、この人でもそんな風に思うのか・・・と。
番組を見ている日本人の多くが、人間本来の生き方とは、こうしたものなんじゃないか、と思いながら見ているのかもしれませんね。
その土地の気候や風土に合わせて生活し、伝統を守り、地域の住人としての誇りを持って、自分の大切な人たち、家族や友人と笑って過ごせれば、幸せ。それ以上のものはいらない。
村に住む人々にとっては、「普通」のことでも、我々には理想郷、憧れの生活に思える。
実際のところは、今の暮らしを知った上で、そういう小さなコミュニティの中だけで人生を完結させるのは、難しいだろうと思います。
でも、もしそうした村に生まれていたら・・・列車の車窓から丘の上に教会を中心とした村が見えたり、飛行機で上空から、家々が身を寄せ合うようにして固まった小さな集落が見えたりすると、ふと、そこで暮らす全く別の人生を思ってみたりします。
サン・ジョヴァンニ・イン・ペルシチェート
エミリア=ロマーニャ州 ボローニャ県
Parco Naturale Monte Corno, Salorno
トレンティーノ=アルト・アディジェ州 南チロル
ラチーネス ボルツァーノ自治県
イニング ドイツ
こうして空から地上を眺めると、人間がいじらしいものに思えてきます。
人種も言葉も違うけれど、それぞれの思いを抱え、みな日々生きている。
いずれこの地上から消えていく、束の間の人生。他人の人生を羨むのでなく、自分なりの幸せを感じながら日々を送ろう、と旅を終える頃には思えてきます。
こんな意識のリセットも旅の効用ですね。
旅に行きたいです。