クチナシ

花の香りで一番好きなのがクチナシです。
花期も短いし、花自体の命も短くて、いつもシーズンに香りを心ゆくまで楽しめなかったという思いが残る花です。

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前にも書いたけれど、クチナシは虫が付きやすく、ベランダの狭小空間で対面するのが恐ろしくて買い控えていました。私にとっては、大好きだけれど禁断の花。

 

でもいつも未練がましく、花屋の店頭にあると見てしまいます。
5月に郊外の美容院に行った時に、駅前の花屋で小鉢で800円くらいで売っていたので、安い!(東京のちょっとした花屋だと1500円以上)と思い、帰りに買おうかなと、3鉢のうちのこれにしようと、決めておきました。

ところが、美容院が終わって、花屋に行ったら、買おうと決めていた、つぼみがたくさんあって、姿もよかった鉢が売れていました。
残念、と思ったけれど、どこかでちょっとほっとする思いも。

 

翌日、石神井公園散歩に行った時に、たまに覗く花屋に寄ったら、クチナシの鉢がいくつか並んでいて、セールの札があり、660円で売っていました。
これは! 昨日売れてしまっていたのは、この出会いのためだったのね、と都合よく解釈。とうとう禁断の花を買ってしまいました。八重の花が小ぶりなもの。


窓辺に置いて花が咲くとは匂いを嗅いで、あ〜いい香り〜とやっていたのですが、つぼみが大きくならないうちに次々咲いて、あっという間に終わってしまいました。今は葉っぱだけ。

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まだ全然満足できません。

クチナシはあまり切花も出回らないし、よその人の家のをそうそう嗅ぐわけにもいかないし。
小石川植物園に行った時に探してみたのですが、あまり植っていないみたいで、道の脇に咲いていたのをいっぱい嗅いで来ました。
明らかにムシの痕跡ありで、用心しつつ・・・

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クチナシというとデヴィッド・リーン監督の映画、『旅情』を思い出します。
キャサリン・ヘプバーン主演、ヴェネツィアが舞台。
子供の頃は単純にちょっと切ない恋物語と思っていたけれど、大人になった今は・・・
クチナシの花がその恋を暗示しているようです。