『黄金の日々』のことなど

全然植物に関係ない、昔話です。

ちょっと前の日曜日に珍しく早起きしてテレビをつけたら、大河ドラマ『黄金の日々(1978)』の再放送をやっていました。大河ドラマはもう久しく見ていませんが、『黄金の日々』と『国盗り物語(1973)』は毎週とても楽しみに見ていました。

 

『黄金の日々』は安土桃山時代、堺の豪商・今井宗久丹波哲郎さん)のもとで働く助左(松本染五郎さん)が、様々な人と出会い、大きな時代のうねりの中で、貿易商として豪商への道を歩む物語です。

主演の染五郎さん(現・白鸚)、栗原小巻さん、緒形拳さん、林隆三さん、高橋幸治さん、根津甚八さん、川谷拓三さん、十朱幸代さん・・・
みんな若くてピカピカ。もう故人の方も多い。特に石川五右衛門役の根津甚八さんが好きでした。ニヒルでかっこいいと思っていました。

 

石川五右衛門が釜茹での刑になる回のテレビ放送をカセットテープで録音しました。
当時はビデオもないし、カセットテープレコーダーを直接テレビの前に置いて番組が始まると同時に録音スイッチをガッチャンと入れ、あとは息を凝らして音を立てないようにするという・・・

ところが、放送が終わってテープを再生したら、ちょっと離れたところに置いてあった目覚まし時計の音も録音されていて、全編にチクタクチクタクと。

釜茹でのシーンは、根津さんが後にインタビューか何かで、釜の中に後ろ向きに倒れる時、釜の縁に頭がぶつかるのではないかと、怖かったと言っていた記憶があります。

川谷拓三さんが演じた善住坊が、体を地中に埋められ、首だけ出した状態で、ノコギリで首を徐々にひかれるという恐ろしい刑に処されるシーンも衝撃的でした。

 

放映された釜茹でのシーンは、根津さんの演技に釘付けでしたが、もう処分してしまったテープでは、たしか湯がボコボコ湧く音、水音(+チクタクチクタク)くらいで、セリフもほとんどなく、音だけでは状況がつかめず、根津さんの迫真の演技も伝わらなくて、ちょっとガッカリ。

妙なことによく覚えているのは、助左に外国人の宣教師が「スゥ・ケッ・サ」と呼びかける声(手紙の文章の再現シーンかも)。悲しい別れのシーンだったと思いますが、宣教師のイントネーションが独特で今でも耳に残っています。

『黄金の日々』のことを考えていたら、『国盗り物語』のシーンも思い出しました。この二作、時代も近いし、役者もかぶっていたりして、ちょっとごっちゃになっている。平幹二朗さんの斎藤道三の油売りのシーンが良かったな・・・信長は高橋英樹さんだったのですが、私は信長と言えば、『黄金の日々』の高橋幸治さんの方がしっくりします。

そう言えば・・・とさらに思い出したのは、1986年に香港・広州・桂林に行った時のこと。
海外に旅行するときは、必ず何かしら本を持っていきます。旅の日程によっては、傾向の違うのを二冊持って行ったり。結局読まない時もあるけれど、空港での待ち時間や飛行機の中とか移動中に読むことが多い。
面白いものがいいけれど、旅の途中で読み終わってしまうと、後が困るので、なるべく長めのものを持っていきます。だけど、重いのに持って行った本がつまらないと無駄になるので、旅に持っていく本選びは結構気を使う。

 

香港・広州・桂林のときは、色々考えて、未読の本でハズすよりも、間違いのない面白い本を再読しようと、司馬遼太郎さんの本の愛読者だったので、書架から『国盗り物語』の1巻を、選んで持って行きました。

香港から広州に入るのに、フェリーで行ったのですが、その間に持参した『国盗り物語』を読んでいました。そのフェリーの中ですぐ近くの席に私よりちょっと年上の男性の二人連れがいて、そのうちの一人がやはり本を読んでいて、何の気なしに覗くと、その人も『国盗り物語』を読んでいました。
刊行されてから随分経っていたし、ドラマもずっと前の放映だから、旅用に選んだ本だったのだと思います。すごい偶然! と思って、話してみたかったのですが、当時は話しかける勇気もなく、そのままになってしまいました・・・
話しかけてみたら、どんな展開になったかな、とちょっと残念な気がします。

 

『黄金の日々』から思いがけず、あれこれと昔語りになりました。
お付き合いいただいた方、恐縮です。ありがとうございました。

 

アルバムに挟まっていたフェリーの切符

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桂林 船で川を行くと、子供たちが寄ってきました 

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