寄生植物と懐かしいマンガ

先日、小石川植物園に行った時に、見慣れない草がありました。
葉っぱがないので、寄生植物かなと思ったら、やはりそうでした。ヤセウツボ

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ヨーロッパから北アフリカにかけて原産のハマウツボ科の帰化植物マメ科、キク科、セリ科などの植物に寄生するそうです。

 

葉がない植物はどことなく妖しい。昨年初めてマヤラン(摩耶蘭)を石神井公園で見つけました。マヤランは菌従属栄養植物(腐生植物)で、絶滅危惧種。ラン科シュンラン属
肝心な花がボケていますが・・・

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減少の理由は森林伐採や園芸用の採取によるそうですが、菌類に寄生して生活する菌従属栄養植物なので、株だけ採取しても育たないとのこと。
一本だけひっそり生えていました。

 

初めて知った寄生植物といえば、ナンバンギセル(南蛮煙管)
別名「思い草」万葉集収録の歌にこの名で出てきます。(思い草が何かは紆余曲折があって今は、ナンバンギセルというのが定説になっています)

 

このナンバンキセル、実はマンガで知ったのです。
陸奥A子さんの作品。1970年代の少女漫画雑誌「りぼん」掲載だったと思うのですが、タイトルもストーリーも覚えていません。(ご存知の方がいらっしゃったらぜひ教えていただきたいです)
陸奥A子さんと言ったら、だいたい乙女チックなラブストーリーで、内気で夢みがちの女の子の片思いが両思いになる、みたいな話が多かったように思います。

 

この話の主人公が、「思い草」にロマンチックな憧れを抱いていて、ナンバンギセルを見つけてそれを摘み取るというようなシーンがあったように思います。でもネットで検索しても全く出てこなくて、だんだん自分の記憶に自信がなくなってきました・・・

 

このマンガでナンバンギセルを知って、憧れを持ったのですが、図鑑で確かめた時は、「え〜?!」好みの問題かもしれないけれど、なんだかちょっと不気味。
とは言え、実際に生えているところを見たいと思って、ススキの根元などを見ているのですが、今に至るまで自然に生えているのを見たことがないです。

 

石神井公園に保護されて咲いていたナンバンギセル。ハマウツボナンバンギセル
こちらも遠くてボケボケですが

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うつむきかげんに、ススキの根方にひっそりと咲くピンクの花。
確かに片思い、物思い、ひそやかな恋心などを連想させなくもないけれど、なんだか少し、ジトッとしているような・・・

ちなみに万葉集の歌は

「道の辺の 尾花がしたの 思ひ草 今さらさらに 何をか思はむ」 作者不詳

解釈は二通りに取れるようです。

「ススキの根方でうつむいて物思いにふける思い草のように、ずっとあなたのことを思ってきましたが、私の心は通じません。もうあなたのことは忘れます」

「ススキの根方でうつむいて物思いにふける思い草のように、今さら何を思い悩んだりしましょう、ずっとあなたのことを思っています」

どちらにしても、やっぱりあれこれ思ってしまうような・・・

 

陸奥A子さんのマンガを読んでいた当時、全然キャラが違うのに、フアフアな女の子にちょっと憧れて三つ編みパーマで、髪型を真似してみたりした記憶があります。

やはり、「りぼん」の看板作家だった田淵由美子さんの描く女の子にも憧れてたな・・・あんな大学生になるんだ、と。花柄ワンピースを着てみたり。田淵さんが描く人物の背景にいつもポプラみたいな葉っぱが描かれていて、真似して描いたり。

 

今はもうない木造校舎の音楽教室の窓からポプラの葉っぱがキラキラ光って風に揺れているのを授業そっちのけで眺めながら、マンガの主人公になったような気分に浸ったりしていました。あの頃は自意識過剰気味の「乙女」でした。赤面ものですが、懐かしい・・・
久しぶりに再読したくなってきました。