クロッカスに似ているけれど、これは秋咲のコルチカム(イヌサフラン)。
コルチカムのことは、「マルタのやさしい刺繍」というスイス映画で知った。なかなかいい映画だったので、また見たいと思っているのだが、NetflixやAmazonプライム に配信がないので、うろ覚えだけれど、あらすじは・・・
スイスの小さな村に暮らす80歳のマルタは、夫に先立たれ、生きる気力を無くしていたが、ある日、若い頃の夢「自分でデザインして、刺繍を施したランジェリーのお店を出すこと」を思い出す。保守的な村の人たちにハレンチなことと白眼視されてしまうが、最初は反対していた友人たちもやがて味方になってくれて、夢を実現していく。
というようなお話。主演のマルタ役、シュテファニー・グラーザーが可愛らしい。お友達もそれぞれ個性的でチャーミング。
実際に見たのはレンタルDVDでだけれど、たまっていた映画チラシの中からデザイン違いのかわいい2枚のチラシが出てきた。
この「マルタのやさしい刺繍」という、乙女心をくすぐる、いかにも女子受け狙いなタイトルが原題では、どうなっているのだろうとふと思って、調べてみたら、
"Die Herbstzeitlosen"
Herbstzeitlosen というのが、コルチカム(イヌサフラン)のことだった。たしか、映画の最後でも彼女たちの足元に咲いていた。秋に咲くこの花に、「遅咲き」「人生の秋を迎えてから一花咲かせる女性たち」をなぞらえたタイトルだ。
このコルチカムを実際に初めて見たのは、イギリスのキュー・ガーデンズで。例によって、方向音痴なので、広大なキューで、もうどこにいるのかわからなくなっていた時に見つけた。
コルチカムだ! と、興奮していっぱい写真をとった。
かわいい^^
撮影は9月
コルチカムが自生しているところに住む人たちは、コルチカムが咲き出すと、ああ、夏が終わってしまったな〜とか、秋の始まりだな〜とか、感じるのかも。
日本だと秋だな〜と感じさせる彼岸花が近いけれど、可憐なコルチカムとはだいぶ違うよね、と思っていたら・・・
さらにキューの中を歩いていたら、コルチカム、こんなことになっていた。
かわいいというより、しどけない。
生っ白い茎が・・・何かちょっとイケナイものを見てしまったような・・・
コルチカムは「裸の貴婦人 Naked lady」とも呼ばれるそうです。
しかも毒があるそうで・・・
花壇にコルチカムがまとめられていた。
この最後の、Colchicum 'Waterlily”
よくあることだけれど、花の名前に他の花の名前がつけてあるのって、
なんだか、ちょっとどちらにも失礼な感じ・・・
でも「ニセ」とか「モドキ」とかよりましかな?
そもそも、イヌ(犬)サフランっていうのも失礼だなぁ。
確かに睡蓮 (waterlily)の花に、雰囲気はちょっと似てるけど・・・
キュー・ガーデンズのウォーター・リリー・ハウスの睡蓮