旅と植物 イタリア ボルツァーノ 2

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さて 、ボルツァーノ二日目。

昨日とはうって変わって、空はグレー。夜のうちに降った雨は幸い止んでいるが、とても寒くどんよりしたお天気。朝は、3度。

昼も8度までしか上がらなかった。気象情報によると、夜は-4度!

念のため持ってきたダウンジャンパーを着て、その上に薄手の春物コートを羽織って、首にショールをグルグル巻いて出かける。

今日は、昨日とはまた別のロープウェイに乗って、山の上の街、ソープラボルツァーノへ。

昨夜のうちに雪が降ったと見えて、山の一定ラインから上に粉砂糖をかけたように薄く雪が積もっている。高度が上がるにつれ、ボルツァーノの街が一望できるようになるが、高所恐怖症気味なので、ちょっと怖い。

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到着したロープウェイ駅を出ると、すぐ前にレノン高原鉄道の駅があり、2両編成の電車に乗りんだ。ここからコッラルボ駅まで20分ほどの電車旅。

 

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電車が走り出すといくらもしないうちに、あたりが突然銀世界になった。

 

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まるでヨーロッパのクリスマスカードのような風景が広がる。春がきたと萌え始めた草木に酷なようだが、雪が積もり、草は覆われ、枝はしなだれている。緑と白のコントラストが瑞々しく鮮やかで目を奪われる。かと思うと、まるで水墨画のような風景が現れる。

 

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私たちは電車の進行方向左側に座っていたのだが、こちらは山側だった。右側は、はるか向こうの山々までがくっきり見渡せるすばらしい景色が広がっていた。

 

小さな車両には私たちの他に現地の人が数人と三人の東洋人がいて、最初は右側の四人がけの席にかたまって座っていたが、景色が広がるとすぐに席を立ち、バラバラに四人がけの席へ一人ずつ陣取って、窓に張り付くようにして写真を取り出したので、右側の席は全て埋まってしまった。

右側の景色も写真に撮りたかったので残念だったが、山側の景色は、それはそれでまた美しく、車内は興奮に包まれていた。

思わず声が上がるので、三人が韓国人だとわかった。彼らも私たちが、「冬ソナみたい」「チュンサン!」とふざけていたので、日本人だと分かったようだった。

 

電車が駅に近づくと現地の人らしい男性が、右側の席をたったので、すかさず、席を移ろうと腰を上げたところに、三人の中の奥様風の人がやってきて、私に笑いかけながら「おしまい。」と日本語で言ったので、そこが目的地の終着駅だとわかった。がっくりだった・・・

 

同僚はイタリア語はかなり喋れる上、韓国語も習っていて、奥様風の人に韓国語で話しかけたところ、その人は日本語を習っていたとあって、しばし異文化交流。

 

駅舎を出て、山側の方へと歩き出す。辺りのレンギョウにも桜にも雪が積もっている。

 

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石垣に何の花かわからないが、黄色い花がたくさん咲いていた。風に吹かれて、雪解け水を玉のように巻き散らしながらフルフルと震えている姿が遠くからも見えた。寒々しく、かわいそうでもあったが、とてもきれいだった。

 

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芽を出し、花を咲かせたばかりの草木に雪が積もり、何もかもが冷たく清潔で、新鮮に見える。

 

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興奮冷めやらぬままにシャッターボタンを押し続けた。

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そろそろ帰りの電車の時間だ。

体がだいぶ冷えてきた。

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帰りの電車は絶対谷側と勢い込んで座ったのだが、天気は急変し、雪が散らつき始めた。行きはあんなに鮮やかにどこまでもくっきりと見えた風景が靄のなかにすっかり包まれてしまった。

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行きに見たときは、一面の白い雪と枝が雪除けになって残った木の根方の若草の緑とが、ハッとするようなコントラストを演出し、とても美しかった。

 

ソープラボルツァーノ駅に戻ったのはちょうど昼時。

何の下調べもしていなかったが、駅近にレストランがあるだろうと、適当にあたりをつけて歩いていくと、いくらもせずに、いい感じのレストランが見つかった。

結構中は賑わっていたが、うまいこと二人がけの席につけて、渡されたメニューをじっくり見る。

ボルツァーノは料理もいわゆるイタリアンではなく、オーストリアやドイツ風のものが多い。私はかねてから一度は食べたいと思っていた白アスパラガスと軽くスモークした生ハムの盛り合わせ、同僚はグラーシュという煮込み料理とクネーデル(パン団子みたいな?)をメインに決めた。その前に冷え切った体を温めるのにカボチャのスープをいただくことに。いずれも美味! たっぷりの量が嬉しい。

 

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お腹いっぱいになってまたホテルへ戻った後、少し休んでから街中をブラブラした。ドイツ系のパンを売る店やザッハトルテの有名なデメルの支店などもある。この日は日曜日で、お店が休みのところが多く、夜は結局中華にした。テイクアウトをしていく地元の人が多く、繁盛している様子。サンラータンをいただき、ほっこりした。

 明日はいよいよ、12:41発のイタロでフィレンツェ(15:44着)へ。

 

朝、宿を立つ前に、また川沿いの緑道を少し散歩。神々しい山が遠くに見える。

初日は暑いくらいの初夏の日差しを浴びて緑の中を散歩。翌日は寒さに震えたが、思いがけず美しい雪景色に出会えた。

コントラストにとんだボルツァーノの旅だった。ロンコロ城に行きそびれたし、ローカーのカフェにも行きたいし、パークホテルラウリンにまた泊まりたい。いつか再訪する日を楽しみにしている。

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