空き地萌

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空き地に雑草が生えているのを見るとワクワクする。密かにそれを「空き地萌」と呼んでいると前に書いたけれど、この”萌感覚”は子供の頃に培われたものだ。

 

育った家は海に近く、記憶にはないけれど、家の前あたりは沼沢地のような感じだったらしい。それが物心ついた頃には、埋め立てられ、宅地として区画に分けて売りに出されていた。

それぞれの区画の一角には、キョウチクトウが、メインストリートには柳が植えてあった。

 

小学生の低学年の頃は、まだ家がポツポツと建ち始めたくらい。あちこちに空き地があって、草が茂っていた。

土地を買った人が家を建てる前に庭土を入れることもあり、赤土、黒土、黄土や貝殻が混じっているような海砂とか色々な土が見られた。

所々、小山のように土を盛ってある空き地もあって、子供たちの格好の遊び場になっていた。

 

その土に含まれていた種が芽を出し育つので、区画によって植生が異なり、山の土を入れた所には、ホトトギスやホタルブクロなど、普通その辺りでは見かけない花が咲いたり、広めの区画には、牧草類の種を播いたらしく、草丈のある芝のような草やクローバー、ヒメコバンソウなんかが生えていた。

 

オカトラノオコマツナギ、チガヤ、イヌホオズキマツヨイグサ、アカザ、ネジバナ、アカマンマ、カラスノエンドウヨウシュヤマゴボウヒメジオンセイタカアワダチソウ、ギシギシ、スカンポ・・・とあげたらきりがないくらい、様々な植物が見られた。

季節ごとにあっちの空き地には今頃あれが咲いているかも、こっちの空き地には・・・という感じで毎日のように空き地を探索して歩き回っていた。

それまで見たことのない植物が見つかったら大興奮。言ってみればプラントハンターみたいな感じ?

植物の、特に雑草の虜になってしまった。

 

高校生くらいになった時には、埋立地の空き地はもうほとんどなくなり、すっかり住宅地になっていた。空き地を探索していたあの頃の興奮は遠いものになっていったのだけれど、十数年前にオーストラリアにワイルドフラワーを見にいったら、ブッシュと呼ばれる場所が、たぶん乾燥ゆえに、多様な植物が、株と株との間に適度な空きを保ちつつ生えていて、その様が庭土を入れたところに植物がポツンポツンと生えてくる埋立地の感じにちょっと似ている。しかも生えている植物がグレートアップしている?!

一気にあの興奮が甦ってきた。ずっとブッシュを歩き回っていたかった。

 

世界各地の植物を見に行くのが夢だけれど、いつになったら自由に海外旅行ができるようになるかな・・・

 

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去年コロナで花苗を買いそびれ、鉢に生えてきたのを超厚遇して育てたハルノノゲシ