きもかわいい

トラップフラワー

先日、小石川植物園に行った時に温室をのぞいたら、前にも紹介したウマノスズクサ科の Aristolochia tricaudata がたくさん咲いていました。

メキシコの熱帯雨林に自生する植物です。

最初に見た時は、なんだかグロテスクな花だな〜と驚いたけれど、今回、色々な様子の花を見ていたら、なんとなく、愛嬌を感じてしまいました。

火星人みたいです。手というか足というか、てろ〜んと伸ばしてる。

ちょっと絡ませて

こちらは手を組んで、執事風?「いらっしゃいませ」?

 

咲き始めはこの手のような足のような部分がねじれて閉じているのですね。

そばにあった、解説板の写し↓

ウマノスズクサ属は、主に蔓性の草本または木本で、世界の熱帯から温帯に約500種がある。

奇妙な花をもち、花びら(花弁)とがく(萼片)の区別がなく、花被が癒合した筒がパイプ状・ラッパ状となり、属内では極めて多様な形態が見られる。

 

この花は、花粉を媒介する昆虫が内部に侵入した際、簡単には出られないよう特殊化したもので、「トラップフラワー」ともいわれる。

開花すると匂いに誘われて小さなハエ類等が花の中へ入っていく。
花筒内側には、繊毛が内側に向かって生えている種類や、ツルツルで滑らかな種類があるが、ハエ類等が簡単に出られない構造となっている。

 

筒部は途中で湾曲した後、膨らんだ部屋(室部)となり、その奥に雌蕊と雄蕊が合着した蕊柱がある。
室部では、蕊柱の基部が明るく、周りは暗い色をしているため、ハエ類等は明るさにつられて蕊柱の周囲を右往左往することになる。

 

その後、葯が裂開し、ハエ類等に花粉が付く頃には、匂いは弱まり、筒部内側の繊毛は脱落、ツルツルだった壁はシワシワになり、ハエ類等は外に出られるようになり、また別の花へと花粉を運ぶという送粉システムをもっている。」

 

 

このところ、シリーズで放映していたNHKの「ワイルドライフ グリーンプラネット」で見た、植物の営みを最新技術で映し出す映像がすごかったです。

植物たちの、あの手この手の受粉、送粉システム、子孫を次代へ継ぐ方法に驚かされました。

動物の糞そっくりの種子を落として、フンコロガシに土中に運ばせる植物やメス蜂に擬態した花で、オス蜂を誘き寄せる蘭とか・・・
どうやってそんな進化を成し遂げたのか?

 

自分には、絶対に無理なんだけれど、こういう映像を見ると、世界のあちこち、秘境と呼ばれるような場所へ行って植物を研究する学者とか、映像を撮る仕事に憧れてしまう。

子供の頃に見たデイビット・アッテンボロー博士とかね・・・博士のテレビ番組を見て、その道に進んだ人もいるのでしょうね。

 

他のウマノスズクサ属の植物も↓

 

kusagasuki.hatenablog.com

 

ネジバナ

この間、小石川後楽園でみたネジバナを紹介しましたが、今度は小石川植物園でみたネジバナです。

あちこちにたくさん咲いていました。

カタバミ

ネジバナでもねじれないで咲くものもあります。
これがまたピントがなかなか合わない。

 

ボケてますが、ほとんど片側に一列に並んで花が咲いています。

 

こちらは美麗な巻き具合です。

左巻きと右巻き(どっちがどっちかは?)

池の縁にしゃがみこんで、ピントが合わない〜と眉根を寄せてスマホと睨めっこしていたら、池をのんびりプカプカ亀がよぎっていきました。

 

儚いもの

オカメザサ

小石川植物園のホームページで萱草が開花、とあったので見に行きました。

(でもまだ早過ぎた。咲いていたのは、本館の植え込みのものだけでした)

 

低地側をゆっくり歩いていたら「!」

オカメザサです。

オカメザサについては前にも書きましたが、名前の由来は酉の市でおかめの面や千両箱などを吊り下げて縁起物として売っていたことによります。

 

ササと名前がついていますが、タケの一種です。
タケとササの違いは、タケノコにある薄皮が早いうちに枯れて脱落するのがタケで、ササは成長しても薄皮がついたまま。

オカメザサのタケノコは4〜6月頃に出てくるそうで、ちょうどタケノコが伸びてきたところでした。

 

そして前夜の雨の名残りが・・・

写真を撮ったのですが、なかなかピントが合いません。

しゃがみこんで何枚も写真を撮ってようやくこんな感じ。
脇を通る人は一体何を撮ってるのかと怪しんでいたかもしれませんが、露に目をとめる人はいませんでした。

かわいい♡ その辺りに生えているタケノコたち、みんな水滴の飾りをつけていました。

このまま永久保存したいと思ったけれど、散ってしまうからこそ儚くも美しく心惹かれるのですね・・・

 

赤塚植物園4

万葉歌と植物

ノカンゾウ(わすれ草)

「わすれ草わが紐に付く香具山の ふりにし里を忘れむがため」大伴旅人

わすれ草を着物の紐につけました。香具山のある懐かしい故郷を忘れるために・・・

 

60代で太宰府に派遣された旅人の望郷の念を歌ったものです。
当時の60代と言ったらかなりの高齢ですね。太宰府に行かされたのは左遷とも、能力をかわれたのだとも言われていて、はっきりしたことはわからないのですが、いずれにしても、懐かしい故郷にもう戻れないかもしれない、という思いがよぎることはあったでしょうね・・・

 

ノカンゾウのことは前にも書きました。この花を見ると「憂さを忘れる」と言われ、「忘れ草」という名があるのです。

 

kusagasuki.hatenablog.com

 

もうオミナエシ(女郎花)が咲き始めていました。

「手に取れば袖さへにほふ女郎花 この白露に散らまく惜しも」詠み人知らず

手に取ったら、袖さえ染まりそうな女郎花がこの白露で散ってしまうのが惜しまれます。

 

夏が終わり、秋の気配が濃くなるにつれ、冷たい白露が草木に宿るようになる。
1年を72等分し、季節の変化を表す名付けをした七十二侯によると、今年は9/8が「草露白(くさのつゆしろし)」になります。

 

ススキの穂はさすがにまだでした。

「人皆は萩を秋と言ふよしわれは 尾花が末を秋とは言はむ」詠み人知らず

人は皆、萩が秋を思わせる花だと言うけれど、私はススキの穂こそ秋を感じさせてくれると言おう。

 

萩もススキも秋の七草の一つ。どちらも秋草の主役級の植物です。
どちらがより秋を感じさせるかと言ったら・・・選び難い。

萩は万葉集で最も多く歌われている花だそうです。

こちらの萩は枝を上の棚へと誘引してあるので、秋には萩のトンネルができそう。

「秋風は涼しくなりぬ馬並めて いざ野に行かな萩の花見に」

 

涼しくなったから萩を見に行こう・・・いいですね。散歩のお誘い?
しかし、自転車はなんとかなっても馬は無理。

学生の頃、サークルの合宿でシーズンオフの軽井沢でバードウォッチングもどきのことをしていたら、林の中から、りゅうとした乗馬服に身をつつみ、落ち葉の道をゆったりと馬を進めながら散歩する一団が現れ、いきなり異次元。絵のようでした。

 

園内にヤクシマハギ屋久島萩)というのもあって、花が咲いていました。風が強くて葉がひるがえっています。葉裏が少し白くて、これがまた風情があります。

ヤクシマハギは6〜7月が開花期で、花が終わって剪定するとまた9〜10月にも花が咲くそう。

ちょっと秋を先取りでしたね。

 

最後は季節の花 アジサイ

「紫陽花の八重咲くごとく弥つ代にを いませわが背子見つつ偲はむ」橘諸兄

紫陽花が八重に咲くように、あなた様も末永くお健やかでいらしてください。

 

この歌は、丹比国人真人という方のお祝いの席で詠まれた歌だそうです。
万葉集には紫陽花の歌は2首だけ。色変わりする花なので、比喩的に使えそうなのに、意外です。

 

赤塚植物園3

万葉・薬用園

日本で古来から自生、栽培されている植物を集めた場所です。

ちょうど、湿地で花菖蒲が咲いているところでした。

イヌヌマトラノオ

イワタバコ

八重のドクダミ

小さな小さな田んぼも

こんな感じで所々、草木に万葉歌の札が添えられています。

「秋の田の穂田を雁が音闇けくに 夜のほどろにも鳴き渡るかも」聖武天皇

 

「雁」に「刈り」がかかっていたりするんですが、イメージは、
秋の穂のでた田んぼの上を雁がまだ暗く、夜も明けきらぬというのに、鳴きながら飛んでいく・・・

渡り鳥の飛来に秋を感じる・・・しみじみしてしまうのも、こうして1000年以上も前の人々から受け継ぐDNAによるものなんでしょうか。

いにしえの人々が歌に込めた思いを味わいながら、小道を巡るのもいいですね。

次回は万葉歌とともに園内の植物を紹介したいと思います。

赤塚植物園2

農業園

こちらは令和2年に、主に子供たちを対象に農業体験の場を提供する目的で増設されました。

さほど広くありませんが、色々な野菜や果樹が植えられています。

 

ジャガイモ畑

ジャガイモ「シャドークイーン」の花

左がシャドークイーンで、右はレッドムーンというジャガイモ。

お隣の白い布を被せた場所には、落花生が植えられていました。

塀に沿ってブドウを栽培

こちらはポタジェ

ニンジンの花

派手なカメムシがいました。ACミランのユニフォームみたい。

 

アカスジカメムシ セリ科の植物に来るそうです。

憧れの「ポタジェ」。でも野菜を育てたいけど、虫が怖い・・・

そのくせ、ちょうちょは出会うと嬉しかったりするのですが。
キャベツ畑のあたりでは、白い蝶々が乱れ飛んでいました。

数匹でかたまって、くるくると付近を飛び回り。


左下の蝶々は2匹重なっていて5匹います。こちらはらっきょうの植え込み。

ボジリ 

大根の種の入ったサヤって先が尖ったこんな形なんですね。
これ、食べられるそうです。茹でてマヨネーズつけたり、炒めたり。
大根の辛味がちゃんとあるんだそう。
普通のスーパーには出回りませんね。

 

街中育ちなので、実は野菜の姿をあまり知りません。
畑の展示も興味深いです。

赤塚植物園1

月曜日、残業続きだったので、晴れの日を狙って休みを取りました。
ちょっと遠出してアジサイでも見に行こうかと思ったのですが、早起きするのが億劫になり、前から行ってみようと思っていた近場の板橋区立赤塚植物園に行ってきました。


地下鉄赤塚駅から歩いて20分くらいかかります。
天気がいいので、大物の洗濯をしていたら出るのが遅くなり、駅についたのが正午頃。まず腹ごしらえしようと、ネットで調べた蕎麦屋へ向かいました。

 

この辺りはかなり前に板橋美術館へ行くのに、2回くらい通ったはずなんですが、全く記憶にありません。

途中で行列のできてるパン屋さんがありました。
駅からだいぶ離れたところに、賑わっている小洒落たハンバーガーショップも。
みんな、美味しいもののこと、よく知ってるな〜


「ひびき庵」というお蕎麦屋さんに着きました。
メニューも一応見たけれど、お隣の3人の仲良しおばあさんたちが食べている「お昼のそば御膳(平日のみ)」が美味しそうだったので、そちらを注文。

 

せっかく休みを取って来たので、ちょっと豪勢に。
(蕎麦+アサリの炊き込みご飯 炭水化物祭り)

デザートのあんみつ付き

大変美味しくいただきました。

あんみつはおざなりデーザートでなく、南伊豆産の天草で寒天を作り、沖縄産黒糖の黒蜜、丹波大納言のあんで作っているとあって、本格的でした。あ〜もっと食べたい!

 

店を出て、さて植物園に向かおうと、こっちだと思った方向へ歩いていきかけたら、案内の札が立っていて、逆方向の矢印が。え?
危ない、危ない。来た道を少し戻って曲がるのでした・・・

赤塚植物園は地図で見ると狭そうだし、なんとなく公園みたいな平らな場所に花壇みたいな感じで、植物が植っていて、そこに名札がつけてあるというようなイメージを描いていたので、あまり期待していませんでした。

しかし、この入り口を見て「!」 なんか期待できそう。

 

中に入っていくと、植物の密度がとても濃い。そして園内は高低差があって、小道が巡らされていました。

小規模だけれど竹林、梅林、牡丹園、バラ園、果樹園、針葉樹林なんかもあります。
イメージしていたのと全然違って、見所がいっぱいです。
さらに、本園の他に「万葉・薬用園」「農業園」まであるのです。

追々紹介しますが、まずは本園の様子。

 

入り口を入ってすぐのところにあるバラ園

奥の藤棚の下のベンチに座ると、風が吹き抜けていって気持ちがいい。

竹林

涼やかな笹 シロシマシイヤ(白縞椎谷)

趣がありますね〜 1981年開園とあって、風格を感じます。

 

野草園 
斜面に色々な野草が植っています。

高台は広場になっていてベンチも置いてあります。

木々を渡る風が爽やか

葉がだいぶ茂ってきましたが、木漏れ日がきれいです。

針葉樹林

木の下の日陰に面白いシダが生えていました。

クリハラン(栗葉蘭) 栗の葉っぱに似ているので。

ハカタシダ(博多羊歯) 斑入りの葉が博多織に似ているので。

 

春の花は終わってしまい、本園の方では目につく花は少なめ。

キンシバイ(金系梅)

ヒメヒオウギ(姫檜扇)

確認しようと思っていた山吹の実がなっていました。

ハナイカダ花筏

次回は農業園へ。