千鳥ヶ淵で花見散歩をした後、甘味処おかめ麹町店へ立ち寄り、その後、永田町まで歩いて行くことにしました。
国立劇場にさしかかると人だかりが。
劇場前の植え込みに美しい桜が咲いていて、人々が写真を撮っているのでした。
国立劇場は今年の10月まで公演があり、その後建て替えが始まります。

劇場のほかにホテルやレストランも入った施設になるそうで、完成は2029年の予定。
ずらりと並ぶ提灯に灯がともって、お花見気分を盛り上げる。


劇場前の庭には多種類の桜が植え込まれていました。
暮れかかってきたので、花の色が出ていませんが、こちらは「仙台屋(センダイヤ)」という桜。花にピンクの濃淡があります。




木に付されていた説明板によると、
「仙台屋」は、高知市内の仙台屋という店の庭にあった桜で、牧野富太郎博士が命名したと言われており、ヤマザクラの一種で花色が濃く一重でオオヤマザクラに似ている。
劇場開場40周年記念樹として3本植栽されているそうです。
ソメイヨシノより数日遅れて開花とありましたが、今年はほぼ同時という印象です。
今年は寒かったけれど、桜開花は早かったですね。
こちらの桜は「駿河桜(スルガザクラ)」

昭和47年(1972)に国立劇場職員が退職記念に植えた桜だそう。
当時は幹の太さが親指ほど。前国立劇場庭師故藤島政治氏が丹精込めて今の樹に仕立て上げました。
昭和58年(1983)に桜の研究家故林弥栄氏により、花柱(雌しべ)が無毛であることから駿河桜と同定されました。この桜は当時の文部省三島遺伝学研究室で造られたものです。

桜の木々の根元には・・・

スミレが群れ咲いています。

こんな隙間にも

こちらは「駿河小町(スルガコマチ)」


この桜は、平成4年に「駿河桜」の種子から稚木が芽生え成長し、花は大輪で一重咲き、花の数が多く上品な淡紅色という新しい品種と判り、平成20年に農林水産省へ「駿河小町」という名で品種登録出願をし、平成23年に種苗法の規定に基づき、品種登録されたものです。
「小松乙女(コマツオトメ)」


「小松乙女」は上野公園の小松宮彰仁親王銅像の近くに原木があるエドヒガン系の桜です。花が少し小ぶりです。
「神代曙(ジンダイアケボノ)」


「神代曙」は神代植物公園で栽培されている桜。
エドヒガンと他種との雑種と考えられているそう。
「稚木の桜(ワカキノサクラ)」

こちらには解説板がありませんでしたが、牧野富太郎博士が、高知県高岡郡佐川町・小川城址の山林で発見。発芽の翌年〜2、3年で開花するヤマザクラの品種。あまり大きくならないそうです。
こちらの植栽には他にも品の良い椿などもあり、リキュウバイも真っ白な花をたくさんつけていました。


だんだん暮れてきました。






こちらの桜は新しい国立劇場にも引き継がれていくのでしょうね。
名残惜しく後ろ髪を引かれつつ、家路につきました。